CTL 強化を追求したら融合細胞にたどりついた

CTL の強化を追求したら融合細胞にたどりついた

CTL(Cytotoxic t cells) ってお聞きになった事ございますか?(ごぞんじでしたら、相当がん治療を調べられていますね。)

あるいは、「がん免疫療法」ってお聞きになったら、どんな印象をお持ちですか?

いま、第4のがん治療として、注目されています。

がん免疫療法の原理はというと、「採血してリンパ球を取り出して試験管内で増殖させて患者に投与する」という漠然としたイメージが広まっていますが、実はこれはかなり古いバージョンのお話です。

新しい免疫療法の主役はT細胞です。

よく古いバージョンの免疫療法をやっているお医者さんは、T細胞はがんを殺す力が弱いなどとおっしゃって、NK細胞などを最強の免疫治療とご説明されると聞いています。

しかしこの考え方は、オプジーボなどチェックポイント阻害剤といわれるお薬が健康保険適用となるくらい効果があるということによって、やっと古い考え方であるという評価に代わりつつあるというのが、今の状況でしょうか。

オプジーボは、T細胞に仕掛けられたブレーキを外すお薬です。ですから、オプジーボの治療効果というのは、実はT細胞の活躍によるものなのです。

そんな大注目のオプジーボの効果も、実はだいたい5人に1人に有効であるというのですから、がんは過酷です。

T細胞にもいくつか種類があるのですが、がんを殺すT細胞は、傷害性T細胞(CTL細胞)と言います。

CTL細胞が活躍するめには、T細胞への抗原提示能が強い樹状細胞(DC細胞)が重要な役割を担っていることが分かっています。

樹状細胞は、がん細胞の細胞表面に出ているタンパク質情報(がん抗原)をCTL細胞に教育し、その情報でCTL細胞はがん細胞を特定し認識することができるのです。

ところが、がん細胞は、攻撃目標となったがん抗原を表面から隠すことがあります(エスケープ)。

そうなると、CTL細胞はがん細胞を攻撃できません。

「CTL細胞が、がん細胞のエスケープを克服するためには、多数の異なるがん抗原を認識したCTL細胞が存在すればいい。」では、どうすればそういう状態を作り出せるのか?ということを追求した結果たどり着いたのが、がん細胞と樹状細胞を細胞融合して作られた「融合細胞」です。

「融合細胞」の役割は、樹状細胞と同じくCTL細胞へのがん抗原教育ですが、「融合細胞」は多数の異なるがん抗原を同時にCTL細胞に教えることができるという点に特徴があります。

がん免疫療法を世代で分類したものが下の図です。

がん細胞を特定する能力が高いほど世代が進みます。

CyTIXの「融合細胞治療」は、第5世代の免疫療法という位置づけです。

CTL いかに沢山の抗原に対するCTLを作れるかが治療のカギです

もともと再生医療新法ができる前は、日本中に第3世代を提供する医療機関があふれていました。

主にNK細胞など自然免疫系の細胞を用いたものです。

ところが今日、第3世代を中心にしている医療機関は激減し、第4世代以降のT細胞を活性化させる免疫療法を中心にしているところが生き残っているようです。

関連ページ「日本で受けられるがん免疫細胞療法の比較」

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