NMN摂取量:おすすめ1日摂取量とは?

NMN摂取量:最適な1日摂取量とは

適切なNMN摂取量に関するサイエンス的な情報

動物実験での高用量と人間に必要な量の違い

NMN摂取量についてのマウスを使った研究では、NMNが加齢に伴う疾患を予防する効果を示すために、1kgあたり約300mgという高用量が用いられてきました。これは体重75kgの人間に換算すると**22.5g(22,500mg)**にも相当します。しかし、これはあくまでマウスの代謝に合わせた数値であり、人間にそのまま適用するものではありません。

実際には、「分布容積(volume of distribution)」という概念により、マウスに必要な量は人間の約12.3倍にあたるとされます。したがって、マウスで300mg/kgだった場合、人間では約24.4mg/kg、つまり体重75kgの人では1.8g程度で同等の効果が得られると推定されます。

人間における実用的なNMNの推奨量

マウスの研究では、100mg/kgの摂取により加齢に伴う生理機能の多くが改善されました。これを人間に換算すると、以下のような目安となります。

  • 体重62kgの成人:約500mg/日
  • 体重90kgの成人:約750mg/日

これらの量は、日常的に摂取可能な範囲であり、コストパフォーマンスを考慮しても現実的です。

人での臨床試験データ

日本の研究チームによる臨床試験では、最大500mgの経口NMN投与により、心拍数や血圧などの生理学的指標に変化はなく、安全性が高いことが確認されました。

また、ワシントン大学医学部の研究では、250mg/日を10週間服用することで、高齢女性の筋肉インスリン感受性と筋構造が改善されました。

東京大学の研究では、65歳以上の男性に対して250mg/日を12週間投与した結果、歩行速度、椅子からの立ち上がり、握力などが改善し、筋機能の向上が確認されています。

さらに、現在も複数の臨床試験が進行中であり、200〜300mg/日を最大24週間にわたり投与し、心血管機能、糖代謝、老化関連疾患(高血圧、糖尿病、肥満、低栄養など)に対する効果が検証されています。

結局、NMNはどれくらい摂ればいいのか?

これまでの研究結果と安全性データをふまえると、次のような摂取量が推奨されます。

  • 30〜60歳の成人500mg/日
  • 65歳以上の高齢者750mg/日

これらは安全かつ効果的と考えられており、アンチエイジングを目的としたサプリメントとして現実的な摂取目安です。

NMNを研究者はどう使っているのか?

老化研究で著名なハーバード大学のデビッド・シンクレア教授は、自身の健康維持のために毎日1gのNMNを服用していると公言しています。彼はこれに加え、レスベラトロールメトホルミン、アスピリンも併用しており、これまで副作用は報告されていません。

参考サイト: nmnドットcom