ロンジェビティ集中コース2024 by NUS に参加

ロンジェビティ

ロンジェビティ集中コース2024 by NUS に参加

ロンジェビティ(Longevity) の集中コース

シンガポール国立大学(NUS)主催の健康長寿 (ロンジェビティ) 集中コース「Healthy-longevity Intensive Course (2024年2月開催)」に参加しました。

コロナ禍が終焉し、世界中に健康長寿に対する興味が溢れ出て来た感じですね。そもそも医学は、「病気を治す」という使命のもとに発達してきたことから、どうも医学は「どうしたら健康でいられるか」、「どうしたら長寿になるか」といったことに対する答えを持って来なかったのではないでしょうか。そこで、急速に「健康」「老化」「長寿」に対する研究が注目されてきているように思います。

病気を予防するという意味での「予防医学」についても、積極的な予防策という意味合いよりも、早期に病気を発見することにより治療を早く始めることができるということが予防医学であるという段階に留まっているのが現状です。

そこで、欧米に答えがあるとすれば、欧米の老化研究の著名な医学研究者達が集まってきているシンガポールなのではないかということで、シンガポール国立大学が開催する集中コースに行って勉強してみることにしました。

 

ロンジェビティ黎明期にいることを発見

まず最初に、言葉の定義として「ロンジェビティ(寿命)研究」というよりは、いまみんなの興味があるのは「ヘルシーロンジェビティ(健康長寿)研究」ですねという説明が印象に残りました。確かに、日本も長寿国としての平均寿命が、実は介護の要らない健康寿命と10年近くギャップがあるということが注目されていますので、いかに自立した健康状態を維持できるかということが大事なのですね。

全体として理解できたのは、現在はまだ、健康長寿を研究するための指標(マーカー)がそもそも何であるかということさえ国際的に決まっている訳ではないので、まずはここから始めようという段階であるということです。

更に言えば、老化を遅らせることが分かっている「運動」と「食事」の介入については、数多くの研究がなされてきているので、これらを組み合わせた医療的な介入(臨床アプローチ)は考えられるものの、それ以外については、まだ研究途上だから臨床的には何も分かってないというのが、これら欧米の研究医達のスタンスであるということです。まさに今はまだロンジェビティ黎明期だと言えるのです。

日本では、再生医療が正式にスタートして10年が経過しました。これによって幹細胞治療や免疫治療などの細胞治療、それに付随する或いは派生する療法も数多く行われてきているのですが、欧米ではこの領域での知見はことのほか遅れているというのが正直な印象でした。

まさに、これからのロンジェビティ研究やロンジェビティ医療は、日本を始めとしたアジアの国々がリードしていくことが出来るのかもしれません。

 

 

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