がん免疫療法とは

がん免疫療法(Cancer Immunotherapy)

この治療は、ヒトの体に元々備わっている免疫機構、すなわち免疫細胞を利用したがん治療のことで、欧米では第4のがん治療として非常に注目されています。そもそも世界のどの国でも、手術、放射線治療、抗がん剤治療が、がんの3大治療となっています。手術も放射線治療も、がんが局所にとどまっている間はとても有効です。しかし、進行がんでがんが転移などをしてしった状況では、抗がん剤治療が残された治療となります。抗がん剤治療は、有効な間はいいのですが、体が耐性を持ってしまうと効かなくなってしまいます。また副作用が強い場合も多く、患者さんのQOLを犠牲にすることが多いという問題があります。そこで、もともと体に備わっている免疫機構を使った治療として開発されてきているのが、がん免疫治療です。

チェックポイント阻害剤とがんワクチン

免疫機構の中には、がんを攻撃するメカニズムがあると同時に、免疫細胞の働きにブレーキをかけようとするメカニズムもあります。京都大学の本庶先生のノーベル賞で認知度の上がった抗PD-1抗体(オプジーボ)などは、そのブレーキを外す作用を狙ったもので、これにより免疫細胞が本来の活躍をした結果、がん治療として効果があるということですから、免疫細胞ががん治療に大きな役割を果たすことが出来ることが証明されたと言えます。オプジーボ以外にも既に多くのチェックポイント阻害剤が開発されていますが、これだけでは必ずしも十分な治療効果が得られていると言えないケースも多く、免疫細胞に特異的にがん細胞を攻撃させるがんワクチンが、今後再度注目を集めるのではないかと欧米では言われ始めているようです。

 

がん免疫療法の種類

自然免疫と獲得免疫

がん免疫療法には、自然免疫細胞を利用しようとするものと、獲得免疫細胞を利用しようとするものがあります。

自然免疫細胞を用いたがん免疫療法

NK細胞(またはANK細胞、BAK療法など)、αβT細胞、γδT細胞、NKT細胞、活性化リンパ球などの免疫細胞は、がんを特異的に(特定して)攻撃することはできませんが、非自己の細胞として認識した細胞を攻撃して排除する能力をもった細胞です。

そこでこれらの自然免疫細胞を血液から分離し培養してからだに戻す療法が、広く行われきました。

獲得免疫細胞を用いたがん免疫療法

一方、がんを特異的に(特定して)攻撃することができるのが、細胞傷害性T細胞(Cytotoxic T cell)です。通称キラーT細胞とも言われているこの細胞は、抗原提示細胞と言われるがんの目印となるタンパク質をキラーT細胞に教育する細胞の抗原提示を受けて、初めてがんを特異的に攻撃する活性化を果たすことができます。抗原提示ができる細胞としては、マクロファージ、樹状細胞などがあります。この樹状細胞に人工的に製造したがん抗原であるペプチドを使って製造するペプチド樹状細胞が、広く利用されています。当社技術の融合細胞とは、より多くの抗原提示を行えるように、患者さんのがん細胞と樹状細胞を細胞融合させて製造します。これにより未知のがん抗原もキラーT細胞に提示できる可能性があることから、第5世代のがん免疫療法と言われています。

 

がん免疫療法の選び方

世界は獲得免疫中心だが、日本はまだ自然免疫中心

自然免疫が悪い訳ではありませんが、日本ではNK細胞などの自然免疫療法を、最も優れた免疫療法であると説明する医療機関もまだ存在するようです。新しい研究では、自然免疫細胞と獲得免疫細胞は互いにクロストーキングといって協力しながらがんと戦っていることが分かってきていますので、どっちがいいということでなく、出来れば両方を利用するのがいいと当社では考えています。

当社の融合細胞治療は、獲得免疫細胞であるキラーT細胞に、患者さん独自のがん抗原を含めて抗原提示できる樹状細胞を作るというテーマに対するひとつの回答として編み出された技術ですので、獲得免疫細胞を利用した治療法としては、より合理的で優れたものだと自負しております。

治療では、獲得免疫細胞を中心に、自然免疫も利用できれば追加する。あるいは、ブレーキ外しのチェックポイント阻害剤も併用してみる。更には自然免疫の活性のために、サイトカイン療法を追加してみるなどの考え方。つまり、単独の免疫療法にとどまらず、出来る限り併用、つまりコンビネーション治療ができるような、経験豊富で柔軟な考え方の医師に掛かることを考えてみることが大事であると、私共は考えております。

 

  • 「がん免疫療法」を見分ける
    がん免疫療法の比較 がん免疫療法(Cancer Immunotherapy)について、世の中には色々あり過ぎてよく分からないという話をよく聞きます。そこで、体系立てて理解しつつ、その比較にトライしてみようと思います。   先ず前提 ➤➤➤